◆審査基準
以下の基準により評価します。
※ただしベーシッククラスのみ別の基準で評価します。
[1] 採点基準
「技術点」「構成点」をそれぞれレベル1~5で評価します。
「技術点」は滑走の安定感、姿勢、スピード等のスケーティングスキルを評価。
「構成点」はルーチンの難易度、流れ、見せ場、メリハリ等の構成力を評価。
※構成点レベルは技術点レベルと同じかそれ以下となります。
例えば技術点レベルが2と判断された場合は、構成点レベルは2以下となります。
いかに多彩な構成のルーチンを滑っても、技術が追いついていない場合は構成点も評価されません。
<技術点>
■レベル1
・スケーティング技術そのものが不足している
・基本トリックへの習熟が不足している
■レベル2
・スラロームをするための最低限のスケーティングスキルを備えている
・クロス・スネーク・トランジション系の基本トリックをスピード不足ながらも大きなミスなくこなす事ができる
・滑走中のバランスや姿勢制御に不足がある
■レベル3
・スラロームをするために十分なスケーティングスキルを備えている
・基本トリックを中程度のスピードで大きなミスなくこなす事ができる
・滑走中の姿勢の見せ方への意識が不足している
■レベル4
・観客の目を引くスピードや安定感のあるスラロームをするスキルを備えている
・合理的に姿勢制御を行う事ができ、トリックやコンビネーションを安定させる事ができる
・高難易度のトリックやコンビネーションをルーチンに組み込むことができる
■レベル5
・安定感と高いスピードの両立、コンビネーション、効果的な高難易度トリックといったより高い技術をアピールできている
<構成点>
■レベル1
・ルーチンが単一もしくは2〜3の単純なトリックの連続で構成されている
■レベル2
・複数のトリックとトランジションを組み合わせ「既存コンビネーションの派生」程度のルーチンを構成できている
■レベル3
・複数のトリックとトランジションを組み合わせた中に難易度を上げたトリックをアクセントとして配置したルーチンを構成できている
・見せ場やメリハリといったルーチンの付加要素が不足している
■レベル4
・ルーチンの「入り」「戻り」「抜け」といった要所を意識し「見せ場」を作ることができている
・スピードの緩急や急停止・急加速といったルーチンのメリハリを意識することができている
■レベル5
・上級者としてのスタイルや魅力を確立できている
・コンビネーションやルーチンの独自性をアピールできている
[2] 加点・減点の要素
(1)技術
トリックの難易度
トリックの難易度と、トリック時の姿勢制御や動作をやりきっているか、という点を評価します。
パイロンに絡まなかったトリックや、パイロンに入る前・抜けた後に仕掛けたトリックは技術点としての評価対象外となります。(審査員の裁量により構成点もしくは印象加点で評価する事は可能です。)
滑走時の姿勢・安定性
姿勢、腕や手先の動き、目線などの、合理的な姿勢の制御を行えているかを評価します。
転倒があった場合や姿勢のふらつきや腕の不要な力みといった安定性を欠く動作があった場合は評価が低くなります。
滑走スピード
滑走時に高いスピードの維持や素早い加減速ができているかを評価します。
スケーティング技術以上に無理のあるスピードや、スピードを出すために姿勢制御が疎かになっていると判断された場合は評価対象となりません。
(2)構成
コンビネーション・ルーチンの多彩さ
コンビネーション、トリック、ムーブの多彩さを評価します。単調で特徴がないものは評価を下げます。
コンビネーションの合理性
コンビネーションに無理がなく、ルーチンが合理的に構成されているかを評価します。
不合理さによるテンポの悪化やパイロンキックがあったと判断された場合は評価が低くなります。
ルーチンの見所とアクセント
アクセントを折り込み見せ場のあるルーチンを構成しているかを評価します。
スタイル・雰囲気・カッコ良さ
滑走全体を通しての雰囲気作りや演出を評価します。
審査員の裁量により加減点を行い、得点への影響は軽微な範囲とします。
(3)パイロンの通過判定について
通過の基準について
隣り合ったパイロン同士を結ぶ直線にウィールが触れることで「通過」と判定します。
不通過の減点について
程度により減点します。
(4)パイロンキック時の原点について
技術不足によるパイロンキックであると判断した場合には、審査員の裁量により技術点が減点します。
[3] 審査対象の範囲について
競技エリアの範囲について
両端のパイロンより外側3mまでの範囲を競技エリアとします。
パイロンに入った後に競技エリアの外部に出た場合は滑走の終了と見なされ、それまでの内容が審査の対象となります。
時間の範囲について
ジュニア、オープン、シニアクラスは、パイロンに入ってから30秒を経過した場合、それまでの内容が審査の対象となります。
■ベーシッククラスについて
ベーシッククラスは以下の基準で評価します。
・技の難易度(MAX3点)
1点:パラレル、フロントクロス、フロントスネーク
2点:バッククロス、バックスネーク、ワンフット、オープンスネーク
3点:バックワンフット、オープンクロス
・安定感(MAX4点)
全体の安定感により1~4点
・スピード(MAX3点)
1点:遅い
2点:普通
3点:速い
■審査についての Q&A
Q.滑走途中でスピンをしたことによりスピードが落ちた場合や、その場に留まってスピンすることは、どう評価されますか?
A.スピードが落ちることにより技術点の評価が下がります。
スピードを殺さない安定したスピンの方が高く評価されます。
Q.パイロンエンド、またはパイロン途中で戻った場合、どう評価されますか?
A.戻らずに抜けきった場合に比べると、演技全体のスピードが落ちることにより技術点の評価が下がります。
ただし戻った後のルーチンが、独自性やメリハリのある構成であれば構成点の評価が上がります。
また、その際のスピードが高い場合は技術点の評価にもつながります。
※ワンパターンな技を繰り返したり、往路と復路が同じ技などの場合は評価は上がりません。
Q.パイロンに入る前、またはパイロンエンドを過ぎた後のアピール(ジャンプやスピン等)はどう評価されますか?
A.評価エリア(パイロン1個目〜最終パイロン後方3m)外での演技は評価対象となりません。
(加点も減点もありません)
Q.手を地面についてのスピンはどう評価されますか?
A.スピードが落ちることにより技術点の評価が下がります。
見せ場を考えた独自性のあるルーチンであれば構成点の評価は上がります。
Q.難易度は高いけど一般の方には受けにくい滑りと、難易度は低いけど一般の方の目を引く滑りはどちらが評価されますか?
A.難易度が高くスピードがあるルーチンが高く評価されます。
観衆の受けなどは、審査員の裁量により印象加点として評価されます。
Q.技術レベルが高くてもパイロンに絡まない滑りは、どう評価されますか?
A.パイロンの外でのスピンや連続してまたぐ、飛び越すなどの滑りは、パイロン不通過とみなされ評価は下がります。
Q.難易度とスピードでは、今はスピードが重視されていると感じます。
子供がまだ小さくてスピードが出ないので難しい技を頑張っていますが、評価されにくい感じがします。
A.高い難易度の技であっても、スピードと安定性が伴わない場合は評価が下がります。
両者が高いレベルで行われた場合は高評価が得られるとご理解ください。
身体能力によるスピードの個人差はどうしても出てきますので、そこは理解いただきたく思います。
Q.技ごとのランクを決めた方がいいのではないでしょうか?
A.トリックスラロームは比較的自由度の高い競技であると考えています。
そのためルーチン全体の評価を重視し、FSSの様に技ごとの点数を決めることはしていません。
Q.審査員の好みや流行で点が左右される印象があるように見えますが、どうでしょうか?
A.審査員は審査基準に基づき審査を行っていますが、重視する点(スピード、テクニック、技など)は各審査員の裁量によるため、個々の審査員の評価はそのように見える場合があります。
そのため、複数の審査員で審査することにより評価の偏りが無いようなシステムとしています。